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ひみつ道具紹介:エアバーナー

今回は珍しく制作道具の話、うちのエアバーナーを紹介しますね。
(以下ずっとバーナーの話なので興味ない方はスルーしてくださいませ)

私がランプワーク専用のエアバーナーを使い始めたのが2007年の春。それから今年でちょうど10年になります。祝 エアバーナー使用10周年!(笑)

ヤフオクで入手した中古のバーナー「BWA-1P(ロペット社)」をずっと使用してました。安かったっていう理由だけで何も考えずに入手したこのバーナーはたまたま集中炎タイプで、付属していた小さなエアポンプ(風量6L/分)もそのまま使って、それで何不自由なく作品を作れてました。実際、私にとってはすごく良いバーナー。


マイバーナー BWA-1P
土台も錆が酷くてかなりくたびれてます。
 

それが昨年の11月に、突然調子が悪くなって作業中にいきなり火が消える症状が頻発しだしたもんで、こりゃオーバーホールに出すにしてもなんにしてももう一台くらいバーナーを持ってないと仕事にならないなぁ…とついに新しいバーナーを購入することに。

新バーナーはロペックス KGK製の「KR-3」にしました。ずっと気になってたバーナー。
*製造元はロペックスではなくKGKだそうで…土台にもKGKのエンボスが入ってました。訂正。


昨年末に我が家にやってきた新しいバーナー KR-3
この真鍮の塊感が最高っ。超カッコイイ!
真鍮なのでしばらく経つと落ち着いた渋い色合いに….
はい、この外見がどストライクなんです〜(笑)。
道具がカッコイイと制作時のテンションも上がりますっ。

向かって右側に空気のバルブが2個付いていて
外炎と内炎を別々にコントロールできる仕様になってます。
これで集中炎から拡散炎まで様々な炎を作れるのが一番の特徴。

 

そして火口の内径が43mm程あって非常に大きい!
(BWA-1P の火口は30mmくらい)
幅の広い炎が出ると大きなものが作りやすいです。
 

エアバーナーの中でも最高クラスの強力な炎が出るのもKR-3の特徴。基本的に風量30‐40L/分の大型エアポンプを使う機種みたいです。でも、これまで風量6L/分の小さなエアポンプをさらに絞って弱火で作業してたので、そんな強い火力は私的には全く不要。そこで風量20L/分のやや控えめのエアポンプを接続して、これまでのバーナーと同じくらいの弱めの火力で使いやすいように調節しました。

 
 

 

 
まず、全てのバルブのツマミに目盛を書いてデータ取り。変化する項目はガス量、内炎のエア量、外炎のエア量、ダンパー(空気窓)の大きさの4つ。これらを変えていってその時の炎の状態と共にひたすら記録して、データを分析することで自分好みの炎が出る設定をすぐに把握できます(けっこう面倒だけど…)。

実は、ある改造を思いつきそれを試したくてずっと気になっていたバーナーでして…。データを取りながら改造も同時にやってみたら私にとってすごく使いやすいバーナーに変身しましたっ。

 
じゃじゃーん♪
 

「太い炎と細い炎が同時に使える改造バーナー」
私のひみつ道具の一つです(笑)
うちのサイトのプロフィール写真に写ってる変な炎のバーナーがこれ。
半円形に切った真鍮板二枚で火口の一部を塞いで長方形にしています。
1分でもとの状態に戻せるプチ改造なんですが、これが私的には効果絶大。

 

 
動画でご覧くださいませ。

うーん、我ながら画期的〜♪(おもいっきり自画自賛です)
ヘッドを回転させて平ぺったい炎の角度を自由に変えられるのが最大のポイント。もともとバーナーの筒の部分がネジ込み式で取り付けられているので、そこを少し緩めるて左右に回せるようにツマミを付けただけ。ネジ込み部分は潤滑剤で動きを滑らかにしてます。

改造で火口の面積が小さくなっているので寧ろ風量20L/分くらいのエアポンプでちょうどいい感じ。火力的にはこれまで使っていたバーナーとほとんど同じ感覚で使えるようになりました。
 

真横からトンボ玉やガラス棒などを入れて回転させながら炙った時、
左:幅の広い炎(温度勾配が緩やかな柔らかめの炎)
右:幅の狭い炎(温度勾配が急な硬めの炎)
中:中間的な幅の炎
として使えます。
火口を回すだけで瞬時に炎の幅が変えられる感覚。
基本的にガラスは回転させながら炙るのでこんな平ぺったい炎でも普通にムラ無く温められます。

左:大きなガラスの広い範囲を温めたり…
右:細いガラス棒や小さなガラスパーツの狭い範囲だけ一気に熱を加えたり…

こんな感じの作業が一つの炎で同時にできちゃいます。
すでに9ヶ月ほどこのバーナーを使って作品を作ってますが私の特殊作業にはホントに便利。大きな作品も格段に作りやすくなって、表現の幅が広がりましたっ。前の日記で紹介したタコブネもこの炎を駆使しながら完成させたものです。

改造後もKR-3の売りである超集中炎(ペンフレーム)から拡散炎までしっかり使えます。すごく自由度の高いバーナー。
 

新旧バーナーを並べるとこんな感じ。
炎の調節はBWA-1Pよりも改造KR-3の方が簡単・正確に行えます。
でも、第一線を退いたBWA-1Pへの愛着も半端なくて…。

以上、つれづれに私の怪しい改造バーナーを紹介してみました。
もちろんこれは私特有の制作工程に合わせて特化させた道具なので、万人が使って便利と感じる道具じゃないと思います。
とにかく、ずっと当たり前に使っている道具や手法も時々見直してみるってことが大事ですね。
 

* 2018年8月追記:現在はこの改造バーナーに付けるエアポンプを風量20L/分から風量6L/分の小さなものに変えて使ってます(小さなエアポンプの方が微調整が利いて使いやすいので…)。私の作業にはこれで十分みたい。

 
* バーナーの改造は非常に危険です! 決して改造をオススメする記事ではありません。この記事を読んで行なった行為によって生じた事故・損害に対して私(増永元)はその責を負いませんよっ。

↑ お約束で記しましたが、火口の一部を塞いだりすると下の空気窓からガスが漏れ出す場合があるので本当に危ないんですよ。私も新しい消火器を買ってきてビビりながら慎重にセッティングしました(汗)。