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トンボ玉「海草藻場をゆく」

ものすごく久しぶりに自然環境シリーズのトンボ玉「海草藻場をゆく」を制作しました。


「海草藻場をゆく」2017

沖縄の海草藻場。リュウキュウスガモ(海草)が繁茂する砂地をワモンダコがスィーっと泳いでいく場面です。ワモンダコは普段は岩とかに擬態してたりもっと地味な体色をしていることが多いんですが、(私が近づいたりして)危険を感じた際に一瞬で暗赤色に体色を変えて勢いよく逃げていくのを目にします。
そんな印象的な一瞬の光景を再現したトンボ玉。


同作品の反対側

この作品の場合はタコのいる方が表側でこちらが裏側という意識で作っています。シンプルな表側に対して生き物たちの密度が高い裏側。もともと2014年のイカ・タコ展に出品するためにデザインした作品なので、裏側にはタコつながりでタコクラゲとタコノマクラを登場させて遊んじゃってます。

旧サイトの作品紹介では以下のように説明してました。
“ちなみに沖縄の海ではタコノマクラはかなりレアな生物で、より見かけるのはヒメタコノマクラという種類です。タコクラゲも特に海草藻場を代表するクラゲじゃないですが…。ワモンダコとタコクラゲ、タコノマクラが遭遇する奇跡の瞬間を想像して、ちょっとだけ私の空想が入ったシチュエーションを作品にしたものです。”

今回作った玉ではリュウキュウスガモのパーツが8束とこれまでで一番多く入っているので海草藻場の雰囲気がより強くなってると思います。


各生物を拡大。左上から順に、
リュウキュウスガモ・タコクラゲ・ワモンダコ・アオヒトデ・タコノマクラ。
  

 
「海草藻場をゆく」は2014年に2点だけ制作したっきりその後は全く制作していなかったんです。昨年に八丈島で開催した「境界」展覧会の50点の中にも本作は含まれていません。

別に出し惜しみをしていた訳ではなくて、単にタコの造形の成功率がものすごーく低いのでこれまで時々挑戦しては途中で諦めてました。
先月あのタコブネを作れたので、今ならこのタコ玉もすんなり作れそうな気がしてきて久しぶりに挑んでみたんです。

今回はタコパーツだけで二日間かけて15匹ほど作り直しを繰り返してようやく納得の造形になったので、それから他の生き物パーツも作って玉に組み上げたところ、玉の中のアオヒトデの出来が気に入らなくて1度目の挑戦はあえなく失敗(ここで一回心が折れました)。気合を入れ直して、また最初からタコを作りを始めて何度もトライしてたら偶然もう一度成功したので今度はもっと慎重に全パーツを組み上げてなんとか完成っ! もう、全然すんなり作れてないし…。でもこのすんなり作れないモノを形にした時の達成感、癖になりそうですー(笑)。
 

↓手で持って愛でてる様子。

2017年9月制作
生物記録系トンボ玉作品・自然環境シリーズ(海水域)
大きさ:H27.5mm x W28mm, 穴の直径:3mm
材質:鉛ガラスに一部ソーダガラスを使用(佐竹ガラス)

 

この作品「海草藻場をゆく」は今月のグラス2Hオークションに出品しています。
入札日:9月25日(月)
本品の終了時刻:21:50

上記の通りタコさんの造形が実はかなり運まかせっていう作家泣かせの可愛い作品ですっ。今回のオークションもどうぞよろしくお願いいたします!