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住人たちの休眠形態

今年もまた「あちらの世界」シリーズ創作の時期になりました。お盆からハロウィンまでの間だけ制作している空想系ガラス造形作品たちです。
実在の生物や古い民話などをモチーフにしている普段の作品たちと違って、このシリーズは完全に僕の頭の中の空想世界の産物。普段とはちょっと違う感覚で楽しみながら創作しています。

ではでは、今年も少しの間だけ「あちらの世界」のお話を…

あちらの世界 記事一覧



お盆も過ぎて、そろそろ「あちらの世界」が見える頃…と棚の奥から「渦窓」をそっと取り出し覗いてみます。
「渦窓」はあちらの世界を覗くことができる謎の物体。普段は白く曇っている窓もこの時期だけはあちらの風景がぼんやりと見えるのです。

渦窓の正体

今年のあちらの世界は雨季が遅れているのか、
いつも観察しているヘルペトンはまだ休眠形態のままでした。

内部には骨魚たちがゆっくり漂っています。通称「骨魚の石」。

あちらの世界に住む者たちは基本的に活動中の姿とは別に休眠期(オフシーズンの乾季)を過ごすための姿「休眠形態」を持ち、休眠中は石のようなコンパクトな形状でじっとしています。

骨魚の動く石

 
そういえば去年のこの時期は初めて巨大生物モンスの休眠形態「骨鯨の岩」を見ることができました。

骨鯨の岩 / 波のモンス

これまで見てきた他の住人たちの休眠形態はどんな姿なんだろう?
と急に気になって渦窓をあちこちに向けて探してみると…

見つけました!これは枯木の森に棲むフィルンの休眠形態。
「骨蛙の石」ですね。

骨格に利用していた枯葉の葉脈も無くなって2つに折りたたまれるように丸まっています。
中の骨蛙も雨を待っているようです。

前に見た時の活動中のフィルンはこんな感じでした↓

他の住人は…  

プルトンは乾季は地下水脈まで潜っているので休眠しているのか不明…
プラヌスは泥の中で休眠しているため観察できないはず…

と、あちこち覗いて探していると、
銀の洞窟でカプトンの休眠形態も発見!「骨海亀の石」。

青い石たちの真ん中で休眠していました。内部の骨海亀もじっとしています。
イボイボ突起の形に活動時の面影がありますね。

ここは以前カプトンがひたすら青い石を集めて巣にしていたあの場所のようです。

 
しばらくするとようやく雨が降り始め、辺りもすっかり潤ってきました。
休眠中の住人たちもこれからたっぷり水分を吸収して活動を始めることでしょう。

あちらの世界の観察はまだしばらく続きます…。


以下、今回制作したガラス作品の紹介を。
 

セット作品
「あちらの住人3種休眠形態」
2024

あちらの住人3種(ヘルペトン・フィルン・カプトン)の休眠形態モデルを一つの標本箱にまとめたセット作品。
3種の休眠形態である「骨魚の石」、「骨蛙の石」、「骨海亀の石」が収められていて、箱の蓋のラベルには住人3種の活動形態のイラストが添えられています。
(フィルンとカプトンの休眠形態は今回が初登場です)

今回の標本箱も内箱をひっくり返すと作品展示台になるいつもの「あちらの世界」シリーズ専用木箱と同様の仕様になってます。

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空想系ガラス造形作品・あちらの世界シリーズ

制作時期:2024年8月

サイズ
 木箱:165mm x 70mm x 41mm
 骨魚の石:31mm x 30mm x 17mm
 骨蛙の石:34mm x 32mm x 18mm
 骨海亀の石:32mm x 30mm x 16mm

材質
 ガラス作品:主に鉛ガラス、一部ソーダガラス(佐竹ガラス)
 標本箱:木材・真鍮・フェルト・紙

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この作品は8月22日(木)に開催されるGlass2Hオークションに出品しています。

オークションでは「休眠形態3点セット」というタイトルが付けられていますが、作品ラベルに付けられる正式な作品タイトルは「あちらの住人3種休眠形態」になります。

また、今月はもう一つ自然環境シリーズのトンボ玉作品「珊瑚礁の岩陰で」のプチ改良新バージョンも出品しています。

これらの作品の入札日は8月22日、
入札終了時刻は
・「珊瑚礁の岩陰で」・・・22:00
・「休眠形態3点セット」・・・22:15
です(どちらも自動延長あり)。

それでは、今月のGlass2Hオークションもどうぞよろしくお願いいたします。