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「魚石類八種標本箱」Glass2H

12月21日(土)はGlass2Hオークションの開催日です。
僕は今年の創作もこれが最後ということで気合を入れて制作したオオモノ作品を出品しました。
以下に魚石のお話を交えて紹介しますね。


中に魚が棲んでいるという不思議な石「魚石」…

研究室の卓上に置かれたこの標本箱は、魚石類の形態的多様性を研究するためのサンプルとして魚石研究者の増永博士によって制作されたもの。

これまでに発見されている魚石類8種(sp. A〜sp.H)の休眠状態*の石を集めた“生体標本”が収められています。休眠状態のため魚たちは殆ど動いていませんが、水につけてあげると吸水して活動を再開する可能性があります。
本来、自然下の魚石は外見上はただの石ころにしか見えませんが、この標本たちは石の上部表面を透けるまで丁寧に磨き上げて中の魚が見えるようにした「観察(鑑賞)用の魚石」です。

* 魚石類は水気のない乾季には水分を蓄えた石の中で休眠状態となって長い期間を過ごし、雨季に石が冠水すると活動を再開して成長と繁殖を行うと考えられています。魚石の「石」は魚自身が体表から分泌した特殊な粘液を袋状に硬化させることによって作り出しているもので、その中に安定した水環境を作り上げることで乾燥した陸上での長期間の生存を可能にしています。

蓋にはレトロな雰囲気のラベル、蓋の裏には各魚種の詳細な形態スケッチが貼られています。

このように魚石類8種が収められた標本箱は現在のところこれが唯一のものであり学術的に非常に貴重なものと思われます。

*魚石の生物学的なお話はフィクションです


…そんな空想系作品「魚石類八種標本箱」について、さらに画像で詳しく紹介を。

 
「魚石類八種標本箱」

収納されている魚石 Species A から Species H までの単体画像↓

最初の魚種 Species A 。以前の「トンボ玉タイプ」の初期の魚石作品ではこの sp. A を多く制作しましたが、sp. B に置き換えられて以降はもうほとんど制作していない魚種です。現行の穴が空いていない「オブジェタイプ」の魚石で sp. A が入っているものは、今回のような特別セット作品にしか登場しないレアな存在だったりします。

ちなみに10年前(2014年)に「魚石類五種標本箱」をグラス2Hに出品、
5年前(2019年)には「魚石類六種入標本箱(小粒)」を出品していて、
この最新版の「魚石類八種標本箱」は同系作品としてはかなり久々の出品になります。
(類似したデザインの作品としては2021年に制作した「魚石増殖過程標本」というスペシャル作品もありますね)

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ガラス造形作品「魚石」シリーズ
制作時期:2024年12月
箱の大きさ:W17cm x D16cm x H5.5cm
ガラス作品の大きさ:直径26-29mm、高さ14-16mm程度
ガラス作品の材質:主に鉛ガラス・一部ソーダガラス(佐竹ガラス)
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12月21日(土)はGlass2Hオークションの開催日(入札日)です。
この「魚石類八種標本箱」の入札終了予定時刻は 21:35 です(自動延長あり)。

僕の魚石の歴史が詰まったこの特別な作品、末永く大切にしてくださる方に収蔵していただけたら嬉しいです。

また、コレクター様からも僕の作品「魚石 (spesies B)」が一点出品されています(終了時刻は21:20)。今は作っていないトンボ玉タイプの魚石で、礒野昭子さんのお仕立てによるネックレス仕様です。
こちらもよろしくお願いいたします。

それでは今年最後のオークション、どうぞよろしくお願いいたします!!!
Glass2H