「化硝研究所」から謎化石の古生物復元依頼が来ました。
架空の地質年代「ギャプス紀*」の地層から出土した未確認化石を化硝研究所所属の専門家(ガラス作家)らが観察し、想像力を駆使してその生時の姿をガラスで復元するというグラスタウンの空想古生物創作企画です。
*ギャプス紀は古生代~中生代の境目、概ね2億3800万年~2億6200万年前頃(フィクションです)
以前はグラスタウンの「Co展」というサイトで連載していた企画ですが、サーバーがトラブルに遭ってしまい過去の情報も消えてしまったようです(涙)。今回リニューアルしたグラスタウンさんのサイトで再スタートです→「化硝研究所」
ちなみに「化硝研究所」は僕が以前制作したこちらの空想古生物作品から発展した企画なのです→ 「空想古生物(軟体動物門)」
今回化硝研から復元を依頼された化石画像はこれ↓
ギャプス紀未確認化石008番
うーん?なんだか鳥の羽みたいなものがズラッと並んでるように見えますが…。
毎回かなり悩みます。
それでは、以下にこの化石から僕が復元したギャプス紀の古生物についてレポートをまとめますね。
和名:チェンソーカイコジリ
学名:Ostraphagus trochoprion (オストラファーガス トロコプリオン)
軟体動物門 / 貝殻亜門 / 所属不明(カイコジリ類)
学名の意味:回転する鋸を持つ貝食者。”ostra-“(牡蠣・貝)+ “-phagus”(食う者)、”trocho-“(輪・回転するもの)+ ” prion”(鋸・ノコギリ)。
刃物のような貝殻を多数持つウミウシに似た姿の軟体動物。
体の前面から側面に並ぶ鋭利な貝殻をチェンソーのように用いて二枚貝類を専門に捕食していた。化石に残っていた鳥の羽のような模様はこの軟体動物の体に並んだ多数の貝殻(ブレード)の部分。
捕食生態
体側に並んだ多数の鋭利な貝殻(ブレード)を獲物である二枚貝の隙間に差し込み、そのブレードを広げて体を左右に激しく捻る動作を素早く繰り返すことで二枚貝の軟体部(外套膜や貝柱)を切り刻んでいく。少しずつ体を二枚貝の内部に入れて貝柱を完全に切断した後、二枚貝の軟体部を全て食べてしまう。
二枚貝を捕食するチェンソーカイコジリ↓
チェンソーカイコジリのガラス復元模型は黄色系と乳白色系の体色で2体制作しました↓
展示台/収納箱兼用の紙製標本箱が付属します。
チェンソーカイコジリ黄色系 : 42mm x 32mm x 25mm
チェンソーカイコジリ乳白色系 : 38mm x 32mm x 27mm
ギャプス紀には複数種のカイコジリ類が存在したことが確認されており、ペルム紀末に起こった大量絶滅で様々な二枚貝が死滅しその捕食者も姿を消した後、二枚貝類の回復とともに新たな二枚貝専食者として空きニッチにいち早く進出・多様化した生物群と考えられる。
カイコジリの強力な捕食圧に対抗すべく二枚貝類の方も開口部の形状を複雑化させ、さらにカイコジリもそれに合わせて形態を進化させるといういたちごっこが生じたようで、短いギャプス紀の間に多種多様な姿の二枚貝類やカイコジリ類が存在した痕跡も確認されている。
カイコジリ類の系統学的な位置づけについては軟体動物門の貝殻亜門らしいということ以外は全く不明。
こちらは過去にギャプス紀の未確認化石001番から復元された古生物「ヤジリカイコジリ」↓

和名:ヤジリカイコジリ
学名:Dicuneus sagittarius(ディクネウス サギッタリウス)
学名の意味:” di -“(2つの) + “cuneus” (くさび)、”sagittarius”(射手:矢尻のような形から)
矢尻に似たくさび形の貝殻を2つ持ったウミウシのような姿の底生生物。
前方にある大きな2つの貝殻を用いて二枚貝類の殻を抉じ開けて軟体部を捕食する二枚貝専食者だったと考えられる。
過去に制作したヤジリカイコジリの復元モデル(2019年制作)↑
*こちらのヤジリカイコジリ作品は非売品です。
化硝研究所企画作品「チェンソーカイコジリ」2点は7月22日開催のGlass2Hオークションに出品されています(僕ではなくグラスタウンからの出品です)。
入札終了時刻は
・「チェンソーカイコジリ黄色系」・・・22:25
・「チェンソーカイコジリ乳白色系」・・・22:40
です(自動延長あり)
→ Glass2H

同時に僕が出品しているガラス作品2点、「潮のまにまに」と「金魚鉢」もどうぞよろしくお願いいたします(終了時刻はそれぞれ21:30と21:45です)。
過去の僕の化硝研究所企画作品一覧は下の「化硝研究所」のタグから見ることができます↓













