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新作「春雨の音」

生物記録系トンボ玉作品・自然環境シリーズ(森林域)の新作ですっ。
 


「春雨の音」2017
しとしとと春雨が降る時期のヤンバルの森。

 
 

ヤンバルミミズバイの枝の上を散歩しているのは淡い緑色の殻が美しいアオミオカタニシ。ミミズバイの枝には蕾が膨らみ始め、周囲に繁茂するシラタマカズラは白い実をつけています。

 


長年作りたいと思っていたアオミオカタニシですが、これまで技術的にどうしてもうまく作れず…。今回新たなアプローチを思いつき、なんとかそれっぽい形にできました。ホントは眼の粒ももうちょっと小さくしたいけど、現段階ではこの大きさがコントロールできる限界だったので…。完成したアオミオカタニシは多少デフォルメ感がありますが可愛いので満足してますっ(笑)。

タイトルは「春雨の音」(はるさめのおと)ですが、作品には「音」は表現されていません。静かに降り続ける雨音を想像しながらこの玉を鑑賞してもらいたくて、直接ガラスでは表現しきれない情報をタイトルに入れて補ってます。雨音を意識してもらうと細かなガラスの気泡も雨粒に見えたりして、一層深く楽しめると思います。

 

大きさ:27.5mm x 26.5mm, 穴の直径:3mm
材質:鉛ガラスに一部ソーダガラスを使用(佐竹ガラス)
 

この作品に登場する生き物たちを紹介します〜。

・アオミオカタニシ

沖縄では広域にごく普通に見られるとってもキレイな陸生貝類。主に樹上性です。一般的なカタツムリ(有肺類のマイマイたち)とは全然別グループのヤマタニシ科に属します。触角の根元に眼があり(これが超カワイイ!)、殻の蓋を持っている点、雌雄異体な点などがマイマイたちと大きく異なる特徴。
三枚目の写真を見てもらうとわかりますが、殻自体は半透明の白色で、緑色に見えるのは本体(身の部分)の色です。この素敵な色は生きてるときしか見ることができないんです〜。
ほんのり紅いほっぺもチャームポイント。

・ヤンバルミミズバイ

山地に生えるハイノキ科の亜高木。3〜4月頃、葉が落ちた後の葉腋にたくさんの白い花を咲かせます。
今回の作品では開花直前の蕾の状態を作りましたっ。

・シラタマカズラ

沖縄ではあちこちで普通に見られる植物で、樹木や岩などに張り付いて這い上がって伸びていきます。冬から春に白くて丸い実をたくさんつけてます。
個人的には森林モチーフのトンボ玉表面の装飾にとっても有用な種としてお気に入り。今後の作品にも時々登場させたいなぁ(笑)

↓動画です。

この「春雨の音」第一号作品は今月のグラス2Hオークションに出品しています。
入札日は明日22日(水)ですっ。今月の入札日はいつもよりちょっと早いですね。
この作品の入札終了時刻は22:20(自動延長あり)です。

どうぞよろしくお願いいたします!