Blog 
 *当ブログの写真はクリックすると拡大表示されます〜。

漂着電球&ビーチグラス…Glass2H

5月22日(水)はGlass2Hオークションの開催日(入札日)です。
今回オークションに出品した「あの海を想う」シリーズのガラス作品2点を紹介します。


ガラス造形作品
「漂着電球」
2024

大海を漂って海岸に流れ着いたボロボロの漂着電球がモチーフの作品。
電球の中には海の記憶として沖縄の浅瀬の光景が映っています。

カサノリが繁茂する海藻の森を小さなウミウシ(ハナミドリガイ)が散歩している のどかな春の海の景色です。

中に見える生き物たちはカサノリ・ウスガサネ・マガタマモ・ハナミドリガイ。

カサノリの森に何年も通って見つけた小さなウミウシ類の中でこの作品に登場させたいと思ったのがハナミドリガイ。
嚢舌類のミドリガイの仲間は餌の海藻から摂取した葉緑体を体細胞に取り込んで光合成を行うこと(盗葉緑体現象)が知られています。
*ハナミドリガイ自体からはまだ盗葉緑体現象は報告されてないようですが、可能性は十分あると思っています。

漂着電球をモチーフにした作品は2016年にタコクラゲ入りのものを創っているのですが、タコクラゲも体内に褐虫藻を持ち光合成を行う動物です。
この漂着電球の作品は「光」が隠しテーマになっていて、今回はカサノリなどの春の日差しで繁茂する海藻類とその合間を行くミドリガイという形で光を感じる光景を映しています。

なお、ハナミドリガイは色彩変異が大きく、作品では僕が海藻の森で実際に見た個体よりももう少し白斑が明瞭な個体を参考にして創りました(メリハリがあったほうが映えるので)。

電球(実物)の口金の接点のところ、絶縁体として濃い色のガラスが使われてるのご存知でしょうか。
ビーチコーミング趣味ではこの部品のビーチグラスを「海ボタン」と呼んだりして親しまれていて、今回のガラス作品「漂着電球」でも青いガラスでしっかり再現してます(口金の錆びた金属部分は不透明のガラスで表現しています)。

 

この作品には専用の展示台が付属します。

*******
ガラス造形作品「あの海を想う」シリーズ
制作時期:2024年5月
大きさ:50mm x 26mm
材質:鉛ガラス・一部ソーダガラス(佐竹ガラス)
*******


そしてもう一つの出品作品。

ガラス造形作品
「ビーチグラス」
2024

海岸で波に揉まれて削られていくビーチグラスがモチーフのガラス作品。
このビーチグラスが内包しているのは小魚の群れの中をタコクラゲが泳ぐ“あの海の記憶”。

この作品は僕が沖縄本島南部の港で見た光景を再現したものです。

ただ、その時群れていた小魚は残念ながら種類まで特定できませんでした。
沖縄でよく群れている小魚にはニシン目のものとトウゴロウイワシ目のものがいるようですが、うーん、目レベルで全然別のグループ…。

今回の作品には以前制作したウルメイワシと同じものを使っていますので、作品のラベルには“ニシン目の魚類”と記しておきます。
またこのタコクラゲのカサ部分が口腕部よりだいぶ大きいですが、このプロポーションは若い個体でよく見る気がします。

この作品には展示・収納兼用の木製標本箱が付属します。

ご注意:
この作品にはバーナーワーク時に煤?を巻き込んで暗いスジになっている部分があります。
その他、クリアガラス部分には脈理のスジや僅かなクモリもありますので、そのようなものが気になる方はご入札をお控えくださいませ。

*******
ガラス造形作品「あの海を想う」シリーズ
制作時期:2024年5月
大きさ:41mm x 37mm
材質:鉛ガラス・一部ソーダガラス(佐竹ガラス)
*******


これらの作品は今月のグラス2Hオークションに出品しています。
入札日は5月22日(水)。
各作品の入札終了時刻は

・「ビーチグラス」・・・21:35
・「漂着電球」・・・22:05

です(どちらも自動延長あり)。

今月のオークションもどうぞよろしくお願いいたします!