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ヘルペトンの旅

あちらのお話。

枯木の森の深部に入っていったヘルペトンが行き着いた場所は「菌虫の森」。

そこかしこに生えている奇妙な茸のようなもの、頭を垂れたその先端には菌に一部が覆われた蛹や幼虫らしき物体。

ヘルペトンがその一個をじっと見つめていると、モゾモゾ動く蛹の背中がパカリと割れて、中から不思議な虫がシュッと出て、暗い空へと優雅に飛んでいきました。
よくよく周囲を見渡すと暗い森のあちこちに様々な虫がヒラヒラ飛翔しています。

彼らは「菌虫(きんちゅう)」という、菌から生み出される菌の虫たち。皆それぞれ姿が違うので、今はざっくりまとめて菌虫たちと呼んでいます。
 

ここ「菌虫の森」は湿度が高く、あたり一面にびっしりと付いた水滴がキラキラ輝いてとても綺麗でしたが、ヘルペトンが目指していたと思われる水場はどこにも見あたりません。

そろそろ乾季も近いのでヘルペトンはこの森で一休み。どうやら今季の旅はここまでのようです。

あちらの世界を覗くことができるこの古い道具「第三の目」もかなり視界が霞んできました。今年のヘルペトンたちの観察もそろそろおしまい。


8月から3ヶ月間びっちりあちらの世界に入り浸っちゃいましたが、そろそろ僕もこっちの世界の住人に戻ります(笑)。

さて、今月制作したガラス作品はかなり大作のボックスアートですっ。

「ヘルペトンの旅 – 菌虫の森 -」

めちゃめちゃ手書き感のある真鍮エッチング銘板付きっ(字もエッチング処理も下手です…汗)。ラテン語で「ヘルペトンの旅」って書いたつもり。
LED照明はトップライト、抜け殻用ライト、菌虫用バックライト、ヘルペトン用アンダーライトの4つ。個別にON/OFFできるので様々な組み合わせの照明で鑑賞できる贅沢仕様。ずらっと並んだトグルスイッチが妙にそそります(笑)。

菌虫の抜け殻はガラスを吹いて(バーナーブローで)制作したのでしっかり中空構造。ちゃんと背中も開いてますよ。
柄の部分はガラスじゃなくて銅製で、根本部分はホウ砂で緋色を出し、上部は塩化アンモニウムで緑青を発生させて色付けしています。

菌虫の羽は繊細な菌糸のイメージだったので緋色にした銅線で表現しています(先端の白い粒はガラスです)。ガラスだけでも同じように作れると思いますが、強度的にとても脆いものになってしまうので今回は異素材を合わせることに。
菌糸で満たされた菌虫の体内はもちろんガラスでできています。体内の菌糸もいい感じにできました。

主役のヘルペトン。この個体は体内にもう一個目を持った三つ目ちゃん。菌虫を見ているので眼は上を向いてます。体内の骨魚たちも可憐に泳いでいます。

今回のガラス作品3点セットの中で箱から取り外して愛でられるのはこのペトンさんだけ。抜け殻も菌虫も箱に接着されているので取り外すことはできません。

背景の菌虫の森の景色は黒塗りの板に白色鉛筆で描いてフィキサチフで定着後、展示箱に組み込みました。一応、この絵にも「元」サイン入ってます。

この展示箱、なんだかんだでかなり制作に手こずってしましたが、なんとかギリギリで完成して一安心です〜。
僕の展示台の中でもかなり大型のものになります。
 箱の大きさは H26cm x W20cm x D12cm 

これ、個展で使いたいんでホントは手放したくないんですが…..(汗)
今月のグラス2Hオークションに出品しております。
 

もう一点、オークションに出している作品がこちら↓。

「ヘルペトン – 石の目覚め -」

ヘルペトンが乾季の休眠形態(骨魚の石)から目を覚まして雨季の活動形態に変形する途中の状態です。今回のものはイボの先に指も出てます。旅の始まり。
見方によっては活動形態から休眠形態に変わる途中にも見えますね。

昨年は活動形態との2点セットで出品しましたが、今回は単品です。
専用の木箱が付属します。

グラス2Hオークションの入札日は明日(10月23日・水)です。

これらの作品2点の入札終了時刻は
「ヘルペトン -石の目覚め-」・・・21:45
「ヘルペトンの旅 -菌虫の森-」・・・22:00
となっています(どちらも自動延長あり)。

ヘルペトン関連作品は今年はこれが最後です。
気に入ってくださる方がいらっしゃいましたら、どうぞよろしくお願いいたしますっ。


前回の2Hの礒野さんの三葉虫ミニミニビーズ企画、うちにも当たりました〜(^^)

いいですねぇ、これ。めっちゃちっちゃくてカワユイの。

礒野さん、町長さん、ありがとうございましたっ!

明日のオークションでも第二弾やるそうですよ〜。