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「魚石増殖過程標本」Glass2H

明日(2月22日・月)開催のGlass2Hオークションには久々に大モノのスペシャル作品を出品しました!

「魚石増殖過程標本」2021

5段階の増殖過程の各段階にあたる魚石を集めた希少な標本セット。ぐるっと魚石の増殖環になっています。

第一期(産卵):卵が確認できる魚石
第二期(魚の倍化):親魚2個体+稚魚2個体の計4個体が入った魚石
第三期(石質分裂前期):石質部分が分裂を開始した魚石
第四期(石質分裂後期):石質部分の分裂が進んだ分かれかけの魚石
第五期(石質分裂終期):石質部分の分裂が完了し、完全に分離した親石と子石

魚石の魚種はすべて species C 。

魚石類の生態に関する知見については以下をお読みください。


 魚石類の魚たちは体表からの分泌物でできた石質の袋状構造物で自らを包み込み、石内部に安定した水環境を作り出すことで長期間陸域での生存を可能にするという特殊な方向に進化したグループと思われる。
そのライフサイクルはほとんどの時間を乾燥した川原の小石の間などで”休眠状態”で過ごし、時折河川の増水によって冠水した際に集中的に繁殖・石質部の分裂を行うものと考えられている。

魚石の石質表面の状態から大まかに間期(極めて緩やかな成長と休眠)と分裂期(増殖)に分けることができるが、未だにその多くは不明のままである。
発見される魚石の殆どは間期(分裂期以外の時期)の休眠状態だが、極めて稀に分裂期の途中段階で休眠状態になったと思われるものが見つかることがある。それらの希少なサンプルは魚石の増殖過程を解明するための大変有益な情報源になっている。

分裂期は大雨などで魚石が冠水している間に比較的短期間で完了するものと予想され、稀に増殖が完了する前に干上がってしまった場合に限りやむを得ず途中段階で休眠状態になるのではないかと推測される。

↑魚石の生態に関する研究報告が記された幻の書物*
 

*魚石の生態に関する話は僕の創作で全てフィクションです。


作品タイトル:「魚石増殖過程標本」
作品カテゴリ:ガラス造形作品・魚石シリーズ
制作時期:2021年2月完成
魚石の材質:主に鉛ガラス、一部ソーダガラス(佐竹ガラス)
標本箱の大きさ:20cm x 20cm x4cm

「分裂石」と呼ばれる分裂中の魚石は2012年に1点だけグラス2Hに出品していて、その時に“発見例が極めて少ない珍しい魚石”という設定があるために生涯で数個しか作らないと宣言した作品です。
販売するのは今回のものが2点目で、セット作品という形ではこれが初めての出品になります。

明日(2021年2月22日・月)開催のグラス2Hオークション、
この「魚石増殖過程標本」は 22:30 入札終了予定(自動延長あり)です。

また、今回も2名のコレクター様から僕のトンボ玉作品2点、
「珊瑚礁の岩陰で」(2016年制作)と「バイカモの陰で」(2011年制作)
が出品されています(これらは僕からの出品ではありませんのでお間違いのないように)。

これら2点とスペシャルな魚石作品、ぜひお迎えしたいという方がいらっしゃいましたらどうぞよろしくお願いいたします!

→ Glass 2H