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骨魚の動く石

あちらの世界に存在する、中に骨魚が棲むイボイボの石。
そんな石が目を覚ましたようです。

石の形状に変化が….。

にゅにゅにゅ….。
 

にょにょにょ…。
 

みょみょみょ…。
 

ぺとんっ。
 

地を這う者「ヘルペトン」

実は、骨魚が棲んでいる石は動き回ることができるのです。あのイボイボした石の正体は「ヘルペトン」という生物(妖怪?)の乾眠中の姿(休眠形態)。周囲の環境が乾燥してくると活動を停止して乾眠につき、秋の長雨で大地が潤うと本来の姿(活動形態)に戻って移動を開始します。骨魚たちはこの生物の中に棲み、共に休眠→移動→休眠を繰り返しながらあちらの世界の水場を巡って永遠に旅をしています………。
*乾眠といっても体内には自身と骨魚のための最低限の水分は保持されます。

立ち寄った水場で骨魚たちはヘルペトンの体から出て水中を自由に泳ぎ回ります。ここで骨魚たちは餌を食べたり繁殖したりと普通の魚のように様々な活動を行い、一方ヘルペトンはたっぷり水分を補給しながら骨魚たちが栄養を蓄えて戻るのをじっと待っているようです。


以前に創ったこの作品もそんな場面。
  

あちらの世界にもそれなりの秩序があり、様々な者たちがこちらの世界と同様に日々暮らしています。


以下、ヘルペトンって何?についての解説とかいろいろ。

このヘルペトンは私の妄想動物です。あの世に棲んでいる妖怪的なもの。ヘルペトン(Herpeton)とは古代ギリシア語で”這うもの”を意味する言葉で、音の響きから地獄でペトンっとしてる生物を連想してしまって名前として採用することに(笑)。爬虫両生類学を指すHerpetology(ハペトロジー)の語源になってる言葉です。


制作前のイメージスケッチ

中国語で「魚石螈」(螈=いもり)はイクチオステガのこと。それで魚石にイモリ的両生類のイメージをくっつけてみたくなったんですが、通常の魚石でそれを表現するのは無理があったので別世界の骨魚の石でやってみることに。あちらの世界の妖怪的な生き物なので、4本足のイモリに乾眠能力を持つ8本足のクマムシのイメージを合わせ、間をとって6本足になりました。

多数あるイボの先端には視覚・触覚・嗅覚などの様々な感覚器が備わっています。

活動中のヘルペトンの体内には細胞内小器官のような謎の球形の物体などが浮かんでいて、絶え間なく流動的に動いています。腹側には神経系がありますが、体内に骨はありません。これらの体内の器官は乾眠時には萎縮して目視できなくなります。骨魚の他にスピロヘータみたいな生物も棲んでいるようです。

最初は単に思いつきで生み出された骨魚さんですが、ようやく彼らが暮らす世界が見えてきました。それにしても、今月はホントに骨魚関連作品ばっかり制作してます(汗)。

*ご注意:このページに載せているヘルペトンの紹介写真には、2個体のペトン作品が混ぜまぜで使われています。