今年最後の大仕事のつもりで今月はウミガメ作品を制作していました。
ウミヘビを研究していた頃、座間味島のフィールド調査中にいつも出会っていたアオウミガメたち(たまにタイマイも)。
ウミヘビと同じ海生爬虫類ってこともあり、ウミガメには特別な思い入れがあります。ウミヘビと比べてやたら人気のウミガメにちょっとだけ嫉妬も(笑)。
今後消えてしまうかもしれない光景をガラスで永久記録していく生物記録系作品群に、やっぱりウミガメ類も加えなければと思いながらも爬虫類の鱗の描写はなかなかにハードルが高くて…。作家活動も10年目の今なら納得のいくものが作れるんじゃないかと気合を入れて挑戦してみました。
新作 トンボ玉
「海原へ」
孵化直後のアオウミガメがリーフエッジの水路を抜けて外洋に向かう場面。
反対面は荒波に揉まれながら外洋を泳ぐ幼体。
ガラスのウミガメは甲長6mm程のミニサイズ。ややデフォルメしてるけど鱗の配置は実物をできるだけ忠実に再現したつもり。やればできるっ(笑)。
でも前額板はもっと大きいほうがアオらしかった…..幼体らしくヒレの縁に白を入れたはずが全然見えてないし….少し反省点も。
子亀が大海に出ていくのが印象的なシーンなので、小さなウミガメに対して玉は直径3cmと最大サイズで創りました(通常玉は3cm以内というサイズ制限を設けてます)。
よく人工孵化したウミガメの放流会というのが日中に行われてますが、自然下では孵化した子亀は捕食者の少ない夜間に砂から出て海に入ります。この作品も見方によっては昼にも夜にも見える色合いになってます。
そして外洋に出た子亀は甲長30cmくらいに成長するまでどこで何をしているのか、まだほとんど判っていません。これから子亀たちがどこに向かってどんな生活を送るのか、色んな思いを詰め込んでこの「海原へ」が完成しました。
「海原へ」
生物記録系トンボ玉作品・自然環境シリーズ(海水域)
制作時期:2018年12月
大きさ:30mm x 30mm、穴の直径:3mm
材質:鉛ガラスに一部ソーダガラスも使用(佐竹ガラス)
そしてもう一点、あの海シリーズも頑張って創りました。
こっちは次の記事で紹介しています。↓
今年最後のグラス2Hオークションの入札日は12月22日(土)です。
私は上記の作品を含む新作2点を出品しています。
・トンボ玉作品「海原へ」….21:45 入札終了予定
・ガラス造形作品「あの海を想う -シャコガイ-」…. 22:00 入札終了予定
どちらも自動延長ありです。
本年最後のオークション販売、どうぞよろしくお願いいたします!
→ Glass 2H