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「あの海を想う -シャコガイ-」

今年最後の大仕事。
もう一点創ったウミガメ作品はあの海シリーズです。

ちなみに昨年最後の大仕事も同シリーズのこれでした。↓

「あの海を想う -ウニ殻-」2017

今回の作品は

ガラス造形作品
「あの海を想う -シャコガイ-」

 
海岸で拾ったシャコガイの殻…..。

沖縄の海岸にたくさん落ちてる小さなシャコガイ。小型種のヒメシャコガイ(ヒメジャコ)です。生きてる時はこの貝の中がとっても綺麗なんですよねー。
 


生時のヒメシャコガイは外套膜が本当に綺麗。この外套膜の中には渦鞭毛藻類が共生していて太陽光からエネルギーを得てるらしいけど、それにしてもなんでこんなに美しいんでしょうね。

この外套膜を見てると、初めて沖縄の海で泳いでアウトリーフに出たときのあの衝撃的に美しく感じた深〜い海の光景を思い出すんです。ちょうどこんな感じに細くて深い溝(水路)が沖に伸びてる形状のリーフエッジでした。
 

そんなイメージで、拾った小さなヒメシャコガイの殻の中にあの深い海の光景を見るっていう作品です。

貝の中に見えるのは孵化直後のアオウミガメがリーフエッジの水路を泳ぎ外洋に向かうシーン。この場面については前回の記事で紹介した新作トンボ玉「海原へ」の内容と重なりますのでそっちをご参照ください〜。

新作トンボ玉「海原へ」

初めて見るアウトリーフの光景は子亀たちの目にはどのように映ってるんでしょうねぇ。
子亀の下を泳いでいる2匹の魚はナンヨウブダイ。のつもりで今回新たに作ったパーツですが前に作ったルリスズメとあんまり違いがないような…(汗)。

この他に、インリーフ側に白い樹状サンゴ、アウトリーフ側に赤いイソバナが入っています。

シャコガイ表面のピンク色の点々は貝の模様じゃなくて貝殻に付着した石灰藻の一種。
 
 

シャコガイの底部には足糸開口という穴が開いていて、ここから足糸を出して岩やサンゴにくっついています。作品ではこの穴が裏側の採光窓になっていて、光源の位置によって中の光景も色んなライティングで見ることができるっていう素晴らしい形。

写真では伝えられてませんが、貝の内側に施してある礁壁の質感もかなり気に入ってるところ。その他にも表面の貝の模様の彫刻とか、今の自分にできる表現をたっぷりと注ぎ込んだ作品になってます。


「あの海を想う -シャコガイ-」
ガラス造形作品「あの海を想う」シリーズ
制作時期:2018年12月
大きさ:W42mm x D27mm x H31mm
材質:鉛ガラスに一部ソーダガラスも使用(佐竹ガラス)


今年最後のグラス2Hオークションの入札日は12月22日(土)です。
私は上記の作品を含む新作2点を出品しています。 
・トンボ玉作品「海原へ」….21:45 入札終了予定
・ガラス造形作品「あの海を想う -シャコガイ-」…. 22:00 入札終了予定
どちらも自動延長ありです。

最近オークションに出品しているような開始価格が高めの作品は、一点物の美術品という気持ちが一層強い創作物です。「この作品はもう作りませんっ」的な宣言はめったにしませんが、大変な気合が必要な作品は自分用と販売用に数点だけ制作して打ち止めになるものが多いです。偶然うまく作れちゃった作品なんかも時々ありますし…..(^_^;)

ではでは、本年最後のオークション販売もどうぞよろしくお願いいたします!

→ Glass 2H