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新作:カニの鋏

いつの間にか集めちゃってるモノって結構ありますが、カニの鋏(ハサミ)もその一つ。いわゆる蟹の爪。とても美しくてカッコイイのです。
 

我が家の鋏たち。

食べたものから海で拾ったものまで様々。集めてる意識はないけど一点一点が魅力的すぎて大切にキープしてたら溜まってきた鋏たちです。
上の写真見て「カニって言いながらオマールエビのハサミが混じってる!」って気づかれた方はなかなかのハサミ好きですね(笑)。ビジュアル的に混ぜちゃいました(しかも上下逆さに置いてるし…)。
一番下の長〜いやつは世界最大の甲殻類、タカアシガニの鋏脚です。これ、脱皮殻なんですよ。先端欠けてしまってるけど、なんかヒトの歯みたいで面白い形。

カニの鋏の何が素敵かって、それはもう言うまでもなくカッチカチの機能美。使い方に合わせて実に多様な形に進化していて、形から生態を想像するだけでも楽しすぎます(脊椎動物の顎の骨や歯もそんな感じ)。
 

上の写真はアカモンガニの左の鋏脚。殻だけになっても脱臼せずに自在置物みたいにガシャガシャと動かせます。美しい曲線の各節が綺麗に丸まってぴったり収納されるのが感動的。
 

と、カニの鋏の魅力について触れてみましたが、本題です。
一番上の鋏コレクション写真の中にこっそり今回のガラス作品が混じってます〜。もう毎度このパターンでとっくにバレてると思いますが、一応この擬態的作品のコンセプト*に関する部分なので…。
m(_ _)m

* 海で拾ったモノたちはそれぞれが”海の記憶”を持ってますよ〜的な、古い収集物を手にとった時に思い出す当時の海の景色とか、モノ自体の旅の記憶を想像したりするあの感覚を形にしたのが「あの海を想う」作品群。漂着物コレクションの中に混ぜてさり気なく飾れます。

撮影中にカニ好きの息子がやってきて鋏たちを眺めてたけど、ガラス作品が混ざってることには全く気づいてない様子。ふふふ。
ちなみに今息子が一番好きなカニはメイロケブカガニだそうです(渋いっ)。

以下、今回制作した作品を紹介します〜。

  
「あの海を想う -カニの鋏-」
2019年3月制作




海岸で拾った古いカニの鋏。その中に見えるのはワモンダコが泳ぐ海中の光景です。タコの側にはオジサンが付いて泳いでいて、タコの狩りのおこぼれを期待しているようです(オジサンは二本のアゴヒゲが可愛いヒメジ科の魚)。
 


モデルにしたアカモンガニの左右の鋏と作品。

生時の艶のあるカニ殻ではなくて、海岸に漂着して時を経て白くカサカサになった殻の質感をガラスでできるだけ忠実に再現してみました(表面の微かな汚しもガラスの粉で付けています)。

サイズ:63mm x26mm x 16.5mm
材質:鉛ガラスに一部ソーダガラスを使用(佐竹ガラス)

この作品「あの海を想う -カニの鋏-」は3月22日(金)が入札日のグラス2Hオークションに出品しています。 
どうぞよろしくお願いいたします!

 
本品は来月の個展に向けて制作している「あの海シリーズ」の最新作で、個展とオークション用に作った2点のうちの一つになります。

個展で展示する方の作品はこちらの第一号↓


こっちも一番上の写真に混ざってました(笑)。第一号は不動指が折れているデザインで、より漂着物のくたびれ感が強く出てます。実は制作中に温度管理ミスでタコさんにクラックが入ってしまったのを炙り直して修正しているので、こっちは自分用のピースになりました。
ぜひ個展会場で実物をご覧くださいませ〜。