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謎化石の復元生物作品

現在グラスタウンのCo展企画で連載中の「化硝研究所」に僕も参加しています。
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Co展「化硝研究所」

この「化硝研究所」では架空のギャプス紀*という地層から出土した未確認化石、UF(アナイデンティファインドフォッシル)の生時の姿を創作のスペシャリストである作家たちが想像力を駆使して復元するという活動をやっています。
*ギャプス紀は古生代~中生代の境目、概ね2億3800万年~2億6200万年前頃らしいです。

  
先月、化硝研究所から謎の化石写真とともに以下のような復元依頼メールが届きました。

“このUFが出土した地層は、ペルム紀の終盤からギャプス紀にかけて、灰色の泥岩層の中に板状に平たくなった状態で発見されました
なので、部分なのか全体なのか、個体なのか複数個体なのか、さらに立体にしたときの各部位の位置関係など、さっぱりわかりません
ご自由に、想像を膨らませていただければと思います
それでは、楽しい復元作業を、よろしくお願いいたします”
 

むむむ、なかなかに謎めいた化石…。

先月いっぱい散々悩んだ挙げ句、各部の痕跡を以下のように解釈してこの古生物を復元しました。↓

この化石は体内に渦巻状の殻を持ったタコ型の頭足類の幼体と判断。

軟体動物門/頭足綱/所属不明種

 Xenospirula dubius ゼノスピルラ ドゥビウス

属名:Xeno(未知の)-spirula(トグロコウイカ属)
種小名:dubius (不確実の) 
この化石種の記載論文を出したという設定で種名が与えられています。

さらにこの復元図を基にガラスで立体復元した作品がこちら。↓


Xenospirula dubius

イカやタコの小さな幼体によく見られるような色素胞の鮮やかな水玉模様を付けてみました。
透明ガラスの中に乳白ガラスの巻殻を作り込んであるところ、めちゃくちゃ苦労した部分ですが、結構イメージ通りにできました。かわいい。

展示/収納兼用のラベル付きの紙製標本箱セット


このガラス作品「ゼノスピルラ ドゥビウス」は8月23日(月)開催のグラス2Hオークションにグラスタウンさんから出品されています(入札終了時刻は23:00)。ちょっと変わったこの作品、1点だけの限定制作物ですのでもし気に入っていただける方がいらっしゃいましたらぜひともよろしくお願いいたします。

Glass2H

この化石の復元には僕の他に2名のガラス作家、礒野昭子さんと谷口知惠子さんも参加していて、それぞれ独自の解釈で不思議な復元生物を創られています。同じ化石から全然違う生物が復元されるのが面白いですね。両氏の作品たちも今月のグラス2Hオークションに出品されています。


今回のオークションには他にも僕の「あちらの世界」シリーズ作品2点も出品しています。

入札終了時刻は
・「骨魚の石」…21:30
・「プラヌス」…21:45
です(自動延長あり)。

あちらの住人「プラヌス」

それでは、明日(8月23日・月)のオークションもどうぞよろしくお願いいたします!