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「分解」&「落葉分解者の輪舞」

明日6月24日(月)はグラス2Hオークションの入札日です。今回僕はガラス作品「分解(試作版)」とトンボ玉の新作「落葉分解者の輪舞」の2点を出品しています。

「分解」は昨年11月にCo展の企画のために制作した、分解者たちが落ち葉を分解していく様子をテーマにした作品でした。

ガラス作品「分解」

今回出品した「分解(試作版)」はその時に発表した完成版の一つ前に作られた試作版になります。4月の横浜個展で完成版(昨年販売した個体じゃなくて自分用に制作したもの)の実物を見てもらった際なかなかの好評でしたので、手元に残っていたこの試作品を今回出品することにしました。

「分解(試作版)」2018年11月制作

完成版とほとんど変わりませんが、キノコが二本だけだったりループ部分や全体のフォルムなどが微妙に異なっています。プロトタイプとも呼んでます。
 

細部の拡大画像と解説。

落葉を噛み砕くイレコダニの後ろには分解のテーマで重要な意味を持つダニの糞(小さな黒い粒)があるんですが、この試作版ではかなり小さめの粒です(写真ではよく見えてません…汗)。ヒダが4つの小さなキノコは庭で見た名前が分からない種。落ち葉の色が茶色と灰色のモザイクになってますが、灰色の部分はキノコの菌糸が葉のリグニンを分解して白化したところです。落葉の裏側はよりポワポワにカビが生えた状態を表現。表面下部の白い菌は不完全菌類のコウジカビがモデルで、有機物を無機物に変えていく分解の象徴としてデザイン的に入れてます。

↑「分解」の制作前のイメージスケッチが左の画像です。これを目指していたので試作版からもう一歩近づけて右の画像の完成版になりました。並べてみると、完成版ってかなりイメージスケッチに忠実に作られてるでしょ(笑)。最近はかなり具体的にイメージを固めてからガラスで再現するようになりました。というか、ようやく出来るようになってきた感じで…(汗)。

今回出品した試作版は上のイメージスケッチとは異なりますが、ふっくらしたフォルムに躍動感もあって全体のまとまりも良く、これはこれでとても気に入っている作品です。

続いてトンボ玉の新作。

ガラス作品の「分解」を自然環境シリーズのトンボ玉として再構成しました。分解者は以前からトンボ玉で作りたかったテーマの一つ。

「落葉分解者の輪舞」2019年6月制作

「輪舞」はオシャレに「ロンド」と読んでくださいっ(ビシッ)。この作品はムシャムシャ、ニョキニョキ、グルグルとなんだか動的なイメージで作ったので輪舞をタイトルに入れました。物質循環の輪舞。

基本的な構成は「分解」と同じ。底に生えてる菌類はより細くて長い接合菌類のケカビの仲間をモデルにしたつもり。小さな玉の中に大きな落ち葉は入らないので小さな葉の一部として表現しました。

偶然性の高いパーツをたっぷり入れ込んで落葉分解のカオスっぽさを表現してみた作品なので、僕の自然環境シリーズのトンボ玉の中では多分一番混沌としています(笑)。玉単体としては限りなく地味ではっきりと好みが分かれる作品だと思いますが、物質循環をテーマにした本品は自然環境シリーズの各作品を並べてその多様性を見る際の重要なピースとして創ったものです。

明日(6月24日)のグラス2Hオークションの入札終了時刻は
「落葉分解者の輪舞」・・・22:00
「分解」・・・22:15
で、どちらも自動延長ありです。

「分解」も「落葉分解者の輪舞」も同デザインで何個も作り続けるタイプの作品じゃありませんので、もし気に入ってくださる方がいらっしゃいましたらぜひこの機会に!

どうぞよろしくお願いいたします。