あちらの世界を永遠に旅するヘルペトンのお話。
昨年のヘルペトンの旅をざっとおさらいしますと…..
まず最初に訪れた水場はザクロ池。そこには水場でヘルペトンをただじっと見つめるナゾの存在「プルトン」がいました。
ザクロ池のプルトン↓
次にたどり着いたのは枯れ木の森。この世界では枯れ木も元気に繁茂します。森の中でモソモソと動き回る「フィルン」たちを目撃。
枯れ木の森のフィルン↓
そこから次の水場を目指して枯れ木の森の奥深くにある菌虫の森までやってきたヘルペトンですが、「菌虫」たちが次々と羽化して飛び回るその場所は極めて多湿にもかかわらず水場はどこにもなく、結局そのまま乾季の休眠についてしまいました。
菌虫の森↓
そして今年も秋の長雨が大地を潤しています….
菌虫の森の真ん中で乾眠から目を覚ましたヘルペトン、けれどももうその場所は菌虫も水場も何も無い、ただただ広い荒野。
ヘルペトンはそのまま何もない大地をゆっくり歩き始めました。
何日間もただ黙々と歩き続けるヘルペトンの前方に、なんだか奇妙な岩山が見えてきました。とても大きな岩山です。
更に近づくとその岩山は、突然大きく揺れ始め滑るように移動を開始したのです。ヘルペトンもこれにはかなり驚いたらしく短い尻尾をビチビチと激しく振っていましたが、どうやらこんな山のような物体もあちらの住人みたいです。
この超巨大生物にはラテン語で山を意味する「モンス(Mons)」と名付けました。
あちらの住人「モンス」
動き始めたモンスの周囲をよくよく観察してみると、モンスが移動してきたらしきその軌跡の上には枯れ木の森が道のように茂っていました。
さらに先程モンスが止まっていた地面には大量の水分が染み込み、あたり一面にびっしりと付いた水滴がキラキラ輝いていました。地面からはすでに菌虫の幼虫や蛹の茸らしきものたちが伸びてきています。
どうやらモンスは大量の水分を体内に蓄えてあちらの世界を徘徊しているようです。それはまるで動く水の山で、彼らが移動した軌跡には保水力の高い粘液が残り、そこから枯れ木の森が茂り、特に湿度の高い休息地跡には菌虫たちの森が出現するものと考えられます。
昨年、ヘルペトンが水場を求めて菌虫の森にたどり着いてしまったのは、大量の水分を保持したモンスの休息地跡を水場と誤認したということでしょうか…。
先程モンスが動き始めたとき、モンスの中でゆっくり動く白い者が見えました。我々の世界で見た覚えがあるあの姿….あれはクジラの骨格、「骨鯨」*です。ヘルペトンや他の多くの住人たちと同様にモンスの体内にも様々な生物が共生しているようです。
* ちなみに「骨鯨」は我々の世界では「化鯨」とも呼ばれる妖怪の類として知られていて、その昔に島根の海に出現したものが伝えられています。
モンスが進んでいった方向の更に先、地平線近くを見るともう一体のモンスがいました。そちらは大雨が降っていて、そのモンスはなんだか波のような容姿に見えます。
モンスには2つの形態があるようで、最初に見たのを「岩のモンス」、遠くの雨の中に見えるものを「波のモンス」と呼ぶことにしました。
注:上の絵に描かれているモンスは2体とも「岩のモンス」です〜。
モンスの生態も気になるところですが、このままヘルペトンを見失わないようにあちらの世界の観察を続けていきます…。
以下、ガラス作品「モンス」の紹介を。
「岩のモンス」2020
ガラス造形作品:あちらの世界シリーズ
制作年:2020年9月
材質:鉛ガラス、一部にソーダガラスを使用(佐竹ガラス)
サイズ:44.5mm x 24mm x 24mm
「波のモンス」2020
ガラス造形作品:あちらの世界シリーズ
制作年:2020年9月
材質:鉛ガラス、一部にソーダガラスを使用(佐竹ガラス)
サイズ:46mm x 26.5mm x 22mm
これら作品2点は「モンス」2体セットとして今月のグラス2Hオークションに出品しています。
オークションの入札日は本日、9月25日(金)です。
「モンス」2体セットの入札終了時刻は21:45(自動延長あり)です。
収納&展示兼用の専用木箱を付属させる予定です。
もう入札が始まっていますね、記事を出すのが遅くてすみません!
作品の動画もご覧くださいませ。動画の方が立体感やサイズ感がわかりやすいです。
また、今回のオークションではコレクターさまからも僕のトンボ玉作品2点、「アカクラゲの海」と「雨の森」(「六月の森」のナメクジ無しのタイプ)が出品されています!
2点とも僕が作家として活動を始めたばかりの初期作品で、当時の販売価格がそのままスタート価格に設定されています(あの頃は安かったですね、懐かしいです)。
皆さま、ご購入いただいた僕の作品をもし何らかの理由で手放したくなった際はこんな感じでグラス2Hに出品してもらえたら嬉しいです。
今の制作ペースでは欲しいと言ってくださる方全員分の作品を制作する事はできないため、グラス2Hを通して次の方の手に渡る形にしてもらえることはとてもありがたいのです。
このようにご購入いただいた作品を後で手放せる場所がしっかり用意されているので、僕も安心して現在の作品価格を設定することができています。
それでは、今回のオークションもどうぞよろしくお願いいたします!